霊夢により足が立つ
福岡県筑紫郡堅粕村大字比恵百五十番地、神藤タネ(明治六年生まれ)は、廿四歳で初めて男子を出産しましたその月より手足が急に不自由になりました為、医者、もみりょうじ、その他の手をつくして治療にあたりましたが、その効なく、しかも家が貧しく、自力で四国八十八ヶ所を巡拝することが出来ずに困っていましたところ、その姉でサキという者が同村の要福市の妻となり、夫婦の中に子供が二人もありましたのに、家財を売り払い […]
福岡県筑紫郡堅粕村大字比恵百五十番地、神藤タネ(明治六年生まれ)は、廿四歳で初めて男子を出産しましたその月より手足が急に不自由になりました為、医者、もみりょうじ、その他の手をつくして治療にあたりましたが、その効なく、しかも家が貧しく、自力で四国八十八ヶ所を巡拝することが出来ずに困っていましたところ、その姉でサキという者が同村の要福市の妻となり、夫婦の中に子供が二人もありましたのに、家財を売り払い […]
私はずいぶんと長い間、眼を患い、ご霊験をうけし前は、ほとんど失明の状態でございました。 このままでは、夫の世話どころか、自分のことすらままなりません。 私は自分のこの身の有様を憂えて悶々として日々を送っていました。そんな時です。私は故郷からの便りをききました。きいたといいますのは、その手紙を夫によんでもらったのです。かいつまんで申しますと、私の眼のことを知った故郷の父母が、ご霊験あらたかな海岸寺 […]
花代のこの病は、どうもタタリではないかと思われます。 それは、兄嫁の里方が貧しくて毎日の暮らしにも困っている有さまでしたので、それをみかねた私は、皆に内密で米・麦・豆のようなものを仕送りしていたのですがそれを知った花代が、母に告げ口をしたのです。母はそのことを兄に話しました。それがもとで兄嫁は離縁になってしまったのです。 兄嫁は花代さへなくば離縁されなかったものをと、花代を恨みまして、ある神さま […]
私は大病にて医者にも見放された者です。 今、私はこのやるかたなき身を、お大師さまの道でありますお四国に、預って頂いておりますが、この苦労も後わずかです。今の私には前途に希望がみえるのです。 といいますのは、無事お四国巡拝廿一度の大願を成就しました私の体は、ありがたき仏さまのご利生によりまして、次第に快方に向かっておるのです。全快も真近であると実感しております。 私のお四国巡拝は、七度目より一言も […]
私の娘はヨシノと申しまして、本年十五歳になりますが、生まれつきカンが強く、五歳の時、それがもとで精神病になってしまいました。 その時以来、諸々の医者・薬・灸やと、できうる限りの手を尽くしましたが、もはやお大師さまにおすがりする外ないと、決心致しまして、お四国巡拝に出ました。 そして大正二年の四月に、この屏風浦に参詣致したのです。ここの奥の院さまにて、お籠りさして頂くこと、廿一日、その間毎日千度礼 […]
福岡県京都郡椿市村、奥野鉄之助は日清戦争の時、志願して下士官となり、蒸気船の艇長になりました。朝鮮警備隊林全権公使に従って諸方偵察中のこと、元山にて左手がしびれた上、寒気におかされた為に血液不順となり、右手と両足の自由がきかず、佐世保海軍病院に一年六ヶ月入院していましたが、遂には不治の病気となりまして、免官されてしまいました。 その後も福岡病院・豊後温泉・俵山温泉等、八ヵ月以上療養につとめました […]
香川県那賀郡買田村大字買田、高井数十五歳は、明治二十七年の頃に大阪天満の米売店方へ奉公致しておりましたところ、同三十年五月に足の病にかかり歩行が困難となりました。大阪の病院で三ヵ月程治療を受けましたが、いっこうによくなりません。年の暮れに故郷へ送り返されまして困っていたのを見かねた琴平町や善通寺村の有志の方々の慈善を受け、この箱車を新調してその年旧二月二十日、当山屏風ヶ浦海岸寺奥の院で、四方の皆 […]
讃岐国屏風ヶ浦海岸寺は、弘法大師の御出化初因縁の霊跡でございまして参詣、又参詣する人々が誠に多く、不思議の御利益を頂く人が数多くありました。 ここに、ありがたき、御利生を頂きましたのは、讃岐国大川郡引田村、森川市造という人で、四歳の時、盲人となりまして十一歳の時より三味線の稽古をし、廿四歳の時、九州福岡の演劇場に雇われ七日目に火災にあい、目が不自由のこととて周章狼狽いたしまして遂に火中で両足をや […]
信仰とは何なのでしょう? 信心とはどうあるべきものなのでしょうか? また、どのような人々が四国遍路の“死出の旅路”へ出て行ったのでしょうか。一昔前の信仰者の姿を通して、遍路とは一体何なのかを考え、あるいは旅の途中で行き倒れ、無念にも散っていった人々の思いを、思いめぐらせてみるのも我々にとって大変益のあることです。観光を兼ねた遍路行もそれなりによいものですが、本来の遍路のあり方というものを忘れてしま […]
寺宝一部紹介(1) 月三兎図 頼山陽の書 森諦圓の書 布薩本尊図 月照上人辞世の句 護摩札 甲山寺出開張本尊 松尾芭蕉肖像 門人野坡筆 理源大師聖宝 諸御役目録 弘法大師ご請来 貝葉経 醍醐派初代管長 和氣宥雄書 佐伯直田公 出山釈迦像 天保14年の納経帳 不動明王伝弘法大師御筆 狩場明神 玉依御前 前神寺蔵王権現 弘法大師(刺繍) 大隈三井子お手製 菩提樹下の釈迦 辨榮聖人御作 沼名前神社の […]